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ブラック・ダリア

観て来ました。

(以下ネタバレあり)
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エルロイの原作は未読。デ・パルマの映画も随分久し振り、劇場で観るのは……ミッション・インポッシブル以来。

うーん結論から言うと…面白くないです。
長回しとか、一人称カメラとか、覗きの視点とか、久々にデ・パルマらしい演出はそれなりに楽しめたんだけど~
如何せん、実際の事件を元にした、という観点ではあまりに内容がデタラメ過ぎる。

キャメロンのタイタニックが、実際に存在した豪華客船を舞台にしてるのに、登場人物がまるっきり創作(一部史実のままという都合のいい展開)がどうしても許せないのと同様、この映画も実際の事象と全然違う要素ばかりで、観ていてそちらばかり気になって仕方がなかった。

勿論、事実を元にした創作という事は承知してはいるが…いややっぱり承知出来ないな…だったら、ブラック・ダリア事件をモチーフにした程度の扱いにすべきだろうな。

実際の事件と同じ要素は、被害者の名前と屍体の状態と、彼女の素行のある程度……これだけ。
屍体発見からその後、犯人から送付された物とか…劇中では一切登場しない。

劇中、ブラック.ダリアことエリザベス・ショートが同じ女優志願の女とレズプレイを強要される場面(撮影されたフィルムが上映される)があり、往年のデ・パルマらしい「張り形」まで登場させる、この辺りの下品さは嫌いではないんだが…実際のエリザベスは「膣が浅く、性行為は不可能」なんだよね…張り形が挿入出来る訳がない。
それを知っている身としては、なんともああ~~な感じを受けてしまう訳だ。

死体が発見される場面も、全然違う事件の捜査で主人公達が張り込みを行う家屋の直ぐ裏に、無造作に転がっている死体……ロングショットでこれらを描写するシーンには流石に感心したけど第一発見者が乳母車を押した女性……これも事実と違う~~~!母親と幼い女の娘の筈です~~!!

そもそもブラック・ダリア事件を最初に知ったのは、ケネス・アンガーの「ハリウッド・バビロンⅡ」、写真とテキストの強烈さは今でも鮮明に覚えている。

惨たらしい肢体の損壊写真は、切り裂きジャックの最後の被害者、メアリー・ジェーン・ケリー別名ワッツ(この別名は牧逸馬の怪奇実話に記されてたんだけど他の媒体ではいっさい書いてないような…何故?)の写真、シャロン・テート事件での彼女の写真と並んで心に強く刻まれている訳で。

無名な女優見習いの娼婦の殺人事件が、何故今日に至る迄語り種になっているか…ひとえに「未解決」「屍体の異常さ凄惨さ」故、なので劇中、屍体発見現場でそれをはっきり描写しないのも‥どうかと思う訳で~。

屍体が映るのは、検視の場面と、ラスト、主人公のフラッシュバック(ここで漸く切断された屍体をはっきり見せる)というのもね…事件の核ということを観客に印象づける為にも、冒頭とは言わないまでも、事件発生の時点でちゃんと映像として見せつけておくべきだと思った訳だがどうか。


まあ映画を観ていて本当に気になったのは…登場人物がひっきりなしに延々煙草を喫い続けるところでした(笑)。もう兎に角喫ったら捨て、場面切り替わる度に煙草を取り出し火をつけの繰り返し…。フリッツ・ラングの「M」も冒頭から喫煙しまくりの映画ですが、この時代にこの描写という意図は??

マッチにメモ書きされた事が登場人物の動向を左右してしまうというのはアンタッチャブルでもあったけど、あまりに病的な執拗な喫煙シーンに…ちょっと呆れました。
でも昔はこれが当たり前だったんだよな…昔つーかつい最近迄か…。

あとマデリーンというのは…原作にも出てくるのかな?
これは当然ヒッチコックのめまいのアレですね…死んだ人間に似た女が云々ってのもそうだし。

とゆー訳で、久々のデ・パルマ節(笑)は堪能出来たけど、実際の事件を元にした映画というところでは思いっきり放棄投げてるのでそのあたりは減点です。

あーそうだ、エリザベスの口をナイフで切り裂くシーンの所為でPG-15だそうですが、劇中ではナイフを当てて、裂く直前で場面変わるんだけど‥別にカットされてないよね?
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